ダイソン V8 ミニモーターヘッドの分解と修理の話

今回はダイソンのコードレス掃除機 V8で使用しているミニモーターヘッドを自分で修理したお話です。

  

コードレス掃除機は気になったその時に、コンセントをさすという準備動作が要らずに掃除ができるのが大きなメリットです。 

とりわけダイソンのコードレス掃除機V8は下手なコード付きの掃除機よりもパワフルなので気に入っています。

 

年末の大掃除で車の中や、細かい隙間などのほこりが気になった場所の掃除にと大活躍していたのですが、掃除中にローラーが動かなくなってしまうトラブルが発生。

 

修理に出してもよかったのですが、並行輸入品が買えるくらいの値段で、しかも年末年始のこの時期なので自分で修理することにしました。

  

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壊れたのはこれ。 

 

 

 

 

 症状

症状としては、ローラーが掃除機のスイッチを押しても回らない。

本体側のモーターだけ回っているので吸い込みだけはしている状態です。

 

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故障箇所の切り分け

まず故障したのがヘッド側なのか、本体側なのか ?

 →本体は他のモーターヘッドを付けたら普通に使えるので問題なし。

 

と言うことはヘッド側に不具合の原因があります。

 

ヘッドの構成部品は大まかに分けて、ヘッド(筐体)、ローラー、駆動部品(モーター、電極端子など)に分けれらます。

 

指でローラーを回すと、特に引っかかりもなく回り、テスターを当てたら導通もあります。

 

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テスターに繋いだままグリグリとヘッドの角度を変えたり、ローラーを動かしても導通があることから、おそらく断線や接触不良はなさそう。

消去法で故障原因はモーターだろうと思い、モーター交換なら自分でもできそうです。

 

ただ一点、心配だったのが、ダイソン社は本体側のモーターの開発を自社でしているので、ヘッド内のモーターも自社製品だとしたら交換部品が手に入らない可能性がありました。(この手の部品は普通販売していない場合が多い)

 

ダメならダメで諦めもつくので、作業を進めます。

 

ヘッドの分解

回転ブラシを外す

 

まずは硬貨を用意して、回転ブラシを外します。

 

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側面カバーを外す 

次にモーターが収まっている辺り、T-8のトルクスねじで固定されている側面のカバーを外します。

  

トルクスを使用しているということは、ユーザーに対して”分解するな”というダイソン側からのメッセージなのですが、気にせず作業を進めます。

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この位置にはツメがあるので割らないように注意しましょう。

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すると駆動部分が見えてきました。

モーターの駆動をベルトでローラーへ伝達するシンプルな構造です。

  

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 モーターは0番のプラスねじ×2個で固定されており、スプロケットとモーターを固定しているブラケットは赤矢印の二か所で爪で固定されています。

 

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ここまできたらモーターはL字の平端子で電極とつながっているだけで、引っ張ったら外れました。

 

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モーターの分解・清掃

 

モーターを摘出してみると、冷却用の穴からホコリやペットの細い毛がすごい量が出てきました。

 

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下手したらブラシが焦げててもおかしくなさそうな嫌な予感がしつつも、内部を見ないことには判断できないので、ブラシや巻き線の状態を確認するためにモーターを分解します。

 

これはひどい、分解前にある程度は取った筈なのに内部にも結構な量のゴミが溜まっています。

 

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幸いにもブラシの状態を観たら特に変な減り方や、カーボンが溜まっているわけでもありませんでした。

このくらいの状態なら特に問題なく動いてもいいはず…  

 

ひとまずエアブローと歯ブラシで綺麗にします。

 

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巻き線も変色もしていないし、一度モーター単体で動くかテストします。

モーターの組み立てはプラス側にマーカーがあるので合わせましょう。 

 

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適当な乾電池をつなげて通電させてみたところ、なんとあっさりと回転しました。

ゴミが悪さをしていたのか、一回ブラシを外したのが良かったのかわかりませんが、とりあえず使えるようになったのでよしとします。

 

ちなみに使われていたのはJONSONエレクトリック社製のDCモーターでした。

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たしかマキタの電動工具にも使われているメーカーですが、ググっても部品はヒットしないので一般消費者には販売していない会社なのかも。

モーター交換の際には同じ部品は手に入らないかもしれませんね。

 

組み立て

モーターが動くようになったので組み立てます。

 

モーターの端子が接続部のピンと銅線でつながっているのですが、そのままではつけられないので、導通ピンもいったんヘッドから外す必要があります。

 

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ヘッドと平端子はツメではまっているので外します。

 

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トルクスねじを外し、端子をモーターにつけておきます。

 

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その状態でモーターをヘッドに入れ、ピンセットなどで端子を引っ張ります。

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配線の色を間違わないように注意しましょう。

 

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モーターを固定していたねじは振動による緩み止め対策にねじロックが塗ってあったので組み立ても塗っておきましょう。

 

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 モーターを落として、ピニオンが若干かけてしまったので接着剤で直しています。

 

 

 

組み上げたらこの通り、元気に回転しています。

 

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今回の様な作業ボリュームの清掃程度なら個人的にはまあいいかとも思いますが、再発する可能性は高そうです。

 

修理に出すと新品(並行輸入品が)が買えるほどの値段がするので保証が切れている方で、ご自分である程度できる方はおすすめです。