ダイソン V8 ソフトローラーヘッドの分解
今回もダイソンのコードレス掃除機のネタですよ。
分解されるのはソフトローラーヘッドです。例によってローラーが回転しなくなる故障です。
まあ購入から年数経っていますし、畳部屋用のヘッドなので使用頻度は少なかったのはずなのですが故障したので治しましょう。
前回のミニモーターヘッドよりは難易度高めなので参考にされる方はくれぐれも自己責任の下でお願いします
ちなみにAmazonでの並行輸入品は9000円ちょっとの値段です。
分解前の動作チェック
例によってテスターでは導通はあるので、断線の可能性はなし。
導通はあるのに、掃除機に付けたら動きません。
ただし、eneloop✕四本直列の簡易電源の場合にはゆっくりとですが動きます。
ここまではダイソンの公式動画を参考にしてね
いきなりここまでバラしていますが私の記事よりもはるかに分かり易く、ダイソンの公式のメンテナンス動画で分解手順は紹介されているのでやり方は省略します。
Dyson V8 / V7 コードレスクリーナー ソフトローラーヘッド 回転ブラシの洗浄
肝心なのはこの先のモーターの部分です。
ヘッドから駆動部分を取り外す
排気カバーを外す
ソフトローラーヘッドはローラーの軸の中にモーターが入っている仕様です。
まずはヘッドから駆動部分を切り離したいので 排気穴のあるカバーを外しましょう。
細いローラーがついていた場所と、モーターの入っている筒の個所にねじがあるので外します。
カバーを外すとギボシがあるのでこれを抜きます。
ギボシはツメでロックがあるので精密マイナスドライバーなどでツメを起こしてから引き抜きましょう。
色は良く見るとグレーとブラックの配線色になっています。
分解する身としては、赤黒にして欲しいところですが、透明な筐体だから透けて見えない様に配慮しているのでしょうか。
トルクスネジを外すとモーターアッセンブリーが外せます。
モーターアッセンブリーの分解
モーターアッセンブリーを取り外す際には配線があるので引っかからないように注意して外しましょう。
ここにツメがあるのでマイナスドライバーなどで広げると筒がはずせます。
モーターアッセンブリーの中身
筒の中身は遊星歯車とモーターです。
変速機構は写真の通りプラネタリーギア二段の構成でした。
モーターだけにしてはやたら長い形状だと思っていましたがなるほど納得です。
前回修理したミニモーターヘッドはベルト駆動だったので、こっちのほうが手の込んだ作りになっています。
前回のミニモーターヘッドはこちらmmttx.hatenablog.com
観たところシリコン系のグリースが塗ってありますが、経年劣化?で粘土も緩くなっていて筒の外にもグリースが付着しているので無水エタノールで拭いておきます。
モーターの分解
DCモーターの分解に移ります。
白い養生テープで止まっている黒い物体✕2は連続稼働させた際の過熱防止の温感ヒューズかなにかでしょう。
確かにプラスチックの筒+ソフトローラーの中だとモーターからの放熱もあんまりだろうし、酷使すると辛そうな感じはありますね。
ひとまず前回同様にホコリがすごいので清掃をおこないます。
毎回思うのですがモーターの冷却穴にここまでホコリが溜まるとなると、最悪燃える可能性がありそうで少し恐怖を覚えます。
今回のモーターもジョンソン社製のモーターのようです。
サイズ的にも同じ型番のモーターではないかな?
裏蓋を外すとホコリが炭化してて、整流子が台形に変形していました。
簡単にエアブローとパーツクリーナーで清掃します。
一旦ここまでで組んで動作テストをしましたが、相変わらずダイソン本体からの給電だと動かない…
気を取り直してもう一度分解してみます。
動作不良の原因の特定と修理
良く見ると全部で五つある内の四つはハンダが割れてました。
温度を上げ過ぎたみたいにハンダの表面がブツブツになっているので、おそらく連続使用時間を無視して使用し続けた為に熱でおかしくなったのでしょう。
再ハンダとサンドペーパーを使って段付きの修正、ついでに整流子の間の溝にもカーボンが貯まっているので綺麗にします。
実はハンダだけ直して動かしたら、段付きが原因でブラシから火花が出てました。
モーターだけ組んで簡易電源で駆動させた際の電流値もミニモーターヘッドと同じ位になったので直ったようです。
あとは逆の手順で組み立てておしまい。
組み立てる際に遊星歯車はシリコングリスを新しく塗りなおしておきます。
シリコングリスは単に手に入りやすいという理由でホームセンターでも買える呉工業のシリコングリスを使用しています。
念のため当分の間は連続稼働は控えて、モーターを休ませつつ様子を見ながら使います。