HICTOP 3dp-17bk の改造
何年か前にアマゾンで4万円くらいで購入した我が家の3Dプリンター HICTOP 3dp-17bk
いわゆるオープンソースのReprap Prusa i3 のクローン品です
【新型】HICTOP フィラメントモニターとオートレベル機能付き3DプリンターキットDIY アルミニウム 未組立 印刷サイズ:210 * 270 * 185mm 3dp-17bk (3DP-17)
- 出版社/メーカー: HIC Technology Company
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当初は・・・
Amazonのレビューを見ると、組み立てに苦労している方も少なからずいたのである程度は覚悟していたのですが、当たりを引いたらしくL字金具のバリ取りやアルミ2020フレームの切子の掃除くらいで特に欠品も無く、すんなり動いて今のところは大きな不満もなく稼働していました。
積層のずれ
動くところまで持っていければ値段の割にそこそこ使える3Dプリンターだと思いますが、ある程度の高さ(Z軸)のあるものをプリントしようとすると積層面がずれたりしてしまうことが判明。
ベルトを張り直したり、ネジの増し締めをしたり、印刷スピードを変えたりしてしているうちに少しはマトモに印刷出来るようにはなってきましたが、ふつふつとエンジニアとしての血が騒ぎだして弄り大病が発症。
そこで組み立て当初から気になっていたいくつかの箇所に手を加えることにしました。
割とネットでも定番の改良もありますがその分効果的だと思うので、これから組み立て式3Dプリンターの沼地へ踏み込もうという方への多少の指標になれればいいと思います。
1.Y軸モーター補強
ステップモーターがフレームに金属製のt=2のブラケットで片持ち梁の状態なので、制振対策で両端固定にします。
特にY軸に関してはそれなりの頻度でモーターが稼働するし、重量物のベッドと印刷物が乗っかっている箇所なので、ゴツい方がいいと考えt=3のアルミのLアングルをカットして取り付けました。写真だとモーターの左側についているものが補強材です。
ブラケットのモーターへの取り付けはネジの長さが微妙に足りなくなります。その為、m3の長さ40mmのネジを新たに用意しました。倍力ニッパーでカットして長さを調整、ダイスでねじ山を直してから使用します。
この補強は結構効果があったようで、印刷中のベッドの動きがスムーズになった気がします。
2.Z軸モーター補強
Z軸のモーターブラケットはX軸のモーターを固定しているシャフトが一緒になっています。これもY軸モーター補強と同様に両端固定にします。
金属製の板を曲げて作るには少し難しい形状なので、PLAで印刷しました。
ただしこの形状だとモーターと補強ブラケットの間に隙間が空いてしまうので、M3用のジュラコンスペーサーかアルミの外形5㎜、内径4㎜のパイプなどを2.5㎜位の長さにカットして隙間を埋めます。(Y軸補強では必要なかったので印刷してた後で気付いた)
3.Z軸フレーム補強
Z軸方向は2020フレームが伸びているためフレーム補強も併せて行う必要があると思います。
この補強はアマゾンのレビューにあったので参考にさせていただきました。
厚さt=2のジュラルミンの破材を使いました。
個人的には厚さが2㎜を超えると金ノコギリでは加工が大変なので避けたいところですね。
Z軸フレームについては、少し思うところがあるので今後追加で改良を加える予定です。
4.Y軸エンドスイッチ移設
これは定番中の定番となっています。
取説通りの組み立た状態ではベッドの真下、Y軸のベルトホルダーの端部にスイッチが固定されているのでベッドが動くとスイッチごと配線が動く仕様になっています。
配線が動くとフレーム等に引っかかったりして断線の恐れがあり、具合が悪いのでこれをY軸のモーターに固定しました。
ベルトホルダーはスイッチを固定していたボルト穴の出っ張り部分が邪魔なのでカットします。その後、移設したスイッチを押すために平らな板をABS板から切り出してリベットで固定します。
見づらい写真ですが、左側の白い板がベルトホルダーに追加した板で、右がエンドスイッチ側です。
Y軸のエンドスイッチはモーター側にABSの平板を追加して固定しました。
5.フィラメントホルダー
印刷中にフィラメントが引っ張られて変なテンションがかかったりしていることがあったので、フィラメントリールの穴のセンターを出す為のフランジを作成しました。
一応HICTOP 社のフィラメントについてはabs、pla共に使えていますが、フィラメントのメーカーが変わるとホルダーの穴径が変わって作り替える必要がるかもしれません。 (未確認)
6.ベルトテンショナー
ベルトのテンションが緩むと、脱調したりして非常によくないのでこんな感じのピンチのばねみたいなのをY軸とX軸のベルトに追加しました。
ベルトテンショナーを取り付けるタイミングとしてはベルトは新品の状態から少し伸びるので、組み上げてから少し印刷して、1回ベルトの張り直した後がいいかと。
500円くらいで買えるけど10個もいらない・・・
7.制振スポンジ
印刷中にはそれなりに騒音や振動が発生して、下の階層の人や周囲に迷惑が掛かりそうなのでプリンターの下にEPDMスポンジシートを敷いています。
別の用途で買った大物のシートがあったのでそれを使っていますがそれなりに値が張るので、ゴム足の下に敷くようにするだけでもいいかもしれません。
最後に
ThingiverseでHICTOPと検索を掛けると、海外の沼の住人たちが自作部品をSTLデータで公開しているのでそちらも参考にどうぞ